要件定義のアプローチ

要件定義の基本

すべてをシステムで解決してしまおうとする要件定義には注意が必要である。システムの成功の可否は要件定義にかかっていると言っても過言ではない。しかし、十分に要件定義の時間を使ったにも関わらず、ITプロジェクトが失敗することがある。

規模別の要件定義

システム構築の規模によって、要件定義の粒度が変わる。小さなITプロジェクトの場合は要件定義をせずにプロトタイプを作りながらシステム構築を進めるといった方法がある。これをアジャイル開発、プロトタイプ開発と呼ぶ。

要件定義の本質

要件定義の粒度は時間を掛ければ細かくなるわけではない。ユーザー側でも要件定義を進めるにつれて、想定している機能の矛盾点が出てくることがある。この矛盾点を解消していくこと自体を要件定義としてはならない。要件定義はあくまで本質的なコアとなる部分から膨らませることが重要である。

対話型要件定義

要件定義フェーズで失敗するパターンは、ユーザー側との対話ではなく、システム会社側がヒアリングに徹する場合である。ユーザー側はITを利用してどのようなことができるかを知らない可能性が高いため、システム専門家がそれを鵜呑みにした仕様で要件を固めてしまうと、製造工程で無駄な工数が発生し予算をオーバーしてしまうことがある。

まとめ

本質的な要件をコミュニケーションによって、はっきりさせていく作業こそが要件定義と言えるのである。さまざまな視点から何度も繰り返し要件をなぞることで粒度が落ちていき、適切な要件定義書となる。何でもかんでもシステム化せず、オペレーションとの関係性を見合わせながら進めることが望ましい。

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AIで何ができるのか

AI vs 人間

AIは人間を超えるのか?などの質問をされることがよくある。シンギュラリティと呼ばれているが、超える超えないの単一線上で比較できるものではないと考える。たとえば、計算の速さだけでいうと人間よりも、はるかに早いと言える。

AI導入の両面性

とにかく労働人口の減少によって、機械化やAI化が急がれていると思う。すでに、画像作成や文章作成などは置き換わっている事例も多くみられるようになった。そんな中で、よくあるのが「AIで何かできませんか?」という問い合わせである。

AI時代のDX

DXという概念にも通ずる話だが、デジタル化するだけでは、いわゆるデジタル変革にはならない。ペーパーレス化ってやつだ。同じように、AIを使うことを目的としてしまうと業務に対して便益がない場合も多いようだ。したがって、AIを利用するということをDXと定義するのであれば、日常業務を整理して、どこをAIに任せるのかを検討することが大切である。

AI活用の極意

AIにも得手不得手があり、計算はもちろん得意だが、質問の仕方や指示の仕方で活用レベルは大きく変わる。プロンプトと呼ばれるものはコピーして使えるが、AIを活用しきろうとするならば、自分でプロンプトを考えれる必要がある。つまり、現時点では賢いAIなのではなく、使う側が上手に使わないとならない。

まとめ

AIの使いどころについて、多くは無理やり使おうとするため、AIを活用する場面でないことも多くある。また、ユーザー企業に関わらずシステム会社でもAIの活用は進んでおり、画像の生成やプログラミングの一部はすでに人間が行わなくてもよい段階にある。これから先もこれは加速することだろう。

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Excel業務をアプリ化する理由

Excelの限界

Excelは多くの中小企業で業務の中心を担っているが、運用を続ける中で限界を感じる場面が増えていないだろうか。「ファイルが重くて開けない」「誰かが数式を壊してしまった」「最新版がどれかわからない」――こうした問題は、Excelでの管理が業務の規模に合わなくなっているサインである。使い慣れたツールだからこそ、課題に気づきにくいのが厄介な点だ。

3つの課題

Excel業務の課題は、大きく3つに整理できる。1つ目は「属人化」である。作成者にしかわからない複雑な数式やマクロが組まれ、その人がいないと修正も更新もできなくなる。2つ目は「保守性の低さ」である。ファイルが壊れたり、バージョン管理ができなかったりするリスクが常につきまとう。3つ目は「共有の不便さ」である。同時編集の制限やメール添付でのやり取りは、情報の行き違いやミスの原因になる。これらは個人の注意力では解決できない、構造的な問題である。

アプリ化で変わること

これらの課題を解消する方法の一つが、Excel業務のアプリ化である。Power Appsを使えば、Excelのデータをそのまま活用しながら、入力画面や承認フローを備えたアプリを作成できる。アプリ化のメリットは、まずデータの一元管理が可能になることだ。誰がいつ更新したかが記録され、属人化のリスクが下がる。また、スマートフォンからも操作できるため、現場での入力作業が格段に楽になる。さらに、入力規則を設定することでミスを未然に防ぐ仕組みも組み込める。Excelの「便利だけど不安」を、「安心して使える」に変えることができるのだ。

着手する業務の選び方

アプリ化を始めるなら、まずは効果を実感しやすい業務から着手するのがポイントである。たとえば、見積もりの計算、在庫の集計、日次の報告書など、Excelで繰り返し行っている作業が最初の候補になる。ある企業では、Excelの計算シートをPower Appsでアプリ化した結果、入力ミスが大幅に減り、作業時間も短縮された。大規模なシステム導入ではなく、身近な業務の改善から始めることで、現場の納得感を得ながらDXを進められる。「Excelをやめる」のではなく、「Excelの良さを活かしながら進化させる」という発想が大切だ。

まとめ

Excel業務の「属人化・保守性・共有の不便さ」は、アプリ化で解消できる。Power Appsを使えば、Excelのデータを活かしながら安心して運用できる仕組みに変えられる。まずは繰り返しの多い業務から、小さく始めてみてほしい。

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オフショア開発の変遷と現状

オフショア開発のコストダウン目的

オフショア開発における主要な目的は、プロジェクトの総コストを削減するために人件費を削減することです。日本の開発者の人件費が高いため、ベトナムの開発者と置き換えることで財務的なコストダウンを実現してきました。ただし、外国に発注するということは、品質の低さと言葉の壁という2つの問題がつねにつきまといます。

内部コストと労働者の負担

人件費の削減は財務上のコストダウン効果を直接的に実現しますが、品質の低さや言葉の壁といった問題は現場の労働時間や精神的な負担として現れる内部コストです。これらの内部コストは労働者に転嫁され、営業側が値引きを行い開発現場の労働に影響を与える仕組みとなっています。オフショア開発に対する開発現場からの評判の悪さは、このような直接的な感覚から生じていると考えられます。

品質の向上と言語の壁

品質の低さや言葉の壁は改善の兆しを見せています。20年前と比較すると、通信手段や開発ツールが進歩しました。チャットやビデオ会議、画面共有などの技術が利用できるようになりました。また、クラウドやソースコードの共有などの管理システムも進化しました。言語の壁も同様で、ベトナムにおける日本語の理解力や日本人における英語の能力は向上しています。さらに、機械翻訳の進歩により、外国語を交えながら技術的な会話が容易になりました。

品質と納期の重要性

オフショア開発において品質と納期は重要な要素です。納期を守り、仕様を満たすことが最終的な評価基準となります。優れた開発チームやツールの活用は重要ですが、納期の達成と仕様の達成が果たされなければ、プロジェクトは失敗となります。

新たなオフショア開発の戦略

オフショア開発におけるコストダウンの戦略は、技術の進歩を活用する方向に進んでいます。開発手法として、ウォーターフォール型ではなくジャイルやOSS的な手法を導入することが求められています。また、国際的な標準的なツールやバージョン管理などの利用も重要です。さらに、コミュニケーションの円滑化も不可欠です。言葉の問題だけでなく、コミュニケーションの円滑化は人間によって担保されます。

オフショア開発の変遷において、品質やコミュニケーションの改善は見られますが、人件費の差によるコストダウンは限界に近づいています。技術の進歩を取り入れた新たな戦略の導入により、より効果的なオフショア開発を実現することができるでしょう。

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