相場の不在

開発の相場観

相場とは、一般的に市場で競争売買によって決まる商品の価格とされているが、ことシステム開発においては、相場というものが存在しない。

比較の難しさ

比較できる同じものであれば競争原理が働き相場が構築されるが、フルスクラッチされるシステム開発においては全く同じものができることはない。しかも、出来上がるものはパッケージシステムやSaaSの利用以外は、未来にしか完成しないので当然比較もできないものとなる。

将来要件判断

比較的ないからこそ、しっかりと吟味する必要があるが、吟味する材料や条件などは現時点で明確になるものが元となる。未来に発生する追加条件や変更される環境などはジャッジする時点にはすべて出そろわないという難しさがある。

変化への対応

システム開発は未来にどのような条件変更やルール変更が行われるかわからないものであるという認識を持つことが大切である。その上で最善のジャッジを行うべきである。その判断は過去を遡って正解か間違いかを評価すべきではない。

まとめ

日本では原点方式の人事評価が行われるため、イノベーションは起こりにくい本質的な問題がある。これを無視して「DXだ」といっている組織があるとすれば、それは本質を見誤っているといえる。

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ノーコード・ローコード比較

新たな開発手法

近年、ビジネスのデジタル化が加速する中で、ノーコード・ローコードツールが注目を集めている。従来のシステム開発では専門的なプログラミング知識が必須だったが、これらのツールを使えば、非エンジニアでも直感的な操作でアプリケーションやWebサイトを構築できる。開発期間の短縮やコスト削減が可能になることから、スタートアップから大企業まで幅広く導入が進んでいる。

主要ツール

ノーコードツールの代表例としては、Webサイト構築に強いBubbleやWebflow、業務アプリ開発に適したKintoneやAppSheet、自動化に特化したZapierなどがある。Bubbleは柔軟性が高く複雑な機能も実装可能だが、学習コストはやや高めである。Webflowはデザイン性に優れ、マーケティングサイトに最適だ。Kintoneはデータベース管理に優れ、日本企業での導入実績が豊富で、承認フローなど日本の業務習慣に対応している。一方、ローコードツールではMicrosoft Power AppsがOffice 365との連携に強く、OutSystemsは大規模エンタープライズ向けで基幹システム開発にも対応可能である。料金体系も月額制からユーザー課金制まで多様で、自社の規模に合わせた選択ができる。

両者の違い

ノーコードとローコードの最大の違いは、カスタマイズ性と技術的な介入度である。ノーコードは完全にコード記述なしで開発できる反面、複雑な要件には対応しきれない場合がある。ローコードは基本的な部分は視覚的に構築しつつ、必要に応じてコードを追加できるため、より高度な機能実装が可能だ。選択時のポイントは、開発したいシステムの複雑さ、既存システムとの連携要件、将来的な拡張性、そして社内の技術リソースである。シンプルな業務アプリならノーコード、基幹システム連携が必要ならローコードが適している。

導入のポイント

ノーコード・ローコードツールの導入を成功させるには、いくつかの注意点がある。まず、無料プランで試用し、実際の業務フローに合うか検証することが重要だ。また、ベンダーロックインのリスクを考慮し、データのエクスポート機能やAPI連携の可否を確認すべきである。セキュリティ要件も見逃せない。特に顧客情報を扱う場合は、各ツールのセキュリティ認証やデータ保存場所を確認する必要がある。さらに、導入後の運用体制も計画的に整備し、社内でのツール活用スキルを育成することが、長期的な成功につながる。

まとめ

ノーコード・ローコードツールは、企業のDX推進を加速させる強力な手段である。適切なツールを選定し、自社の課題に合わせて活用することで、開発コストを抑えながらスピーディーにシステムを構築できる。まずは小規模なプロジェクトから始め、成功体験を積み重ねながら展開していくことを勧める。デジタル化の第一歩として、ぜひ検討すべきだろう。

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DX前の業務整理

DX推進の落とし穴

多くの企業がDX推進を急ぐあまり、業務改善ツールやシステムの導入を最優先にしてしまう傾向がある。しかし、現状の業務プロセスを整理しないままツールを導入することは、非効率な作業をそのままデジタル化するだけに終わる危険性がある。DXの本質は単なるIT化ではなく、業務そのものの変革にある。

非効率のデジタル化の罠

いきなりツールを導入すると、既存の非効率な業務フローがそのままシステムに組み込まれてしまう。例えば、不要な承認プロセスや重複した作業がデジタル上で再現され、かえって業務が複雑化するケースも少なくない。また、現場の実態に合わないツールを選定してしまい、導入後に使われなくなるという失敗も頻発している。結果として、多大なコストと時間を費やしながら、期待した効果を得られないまま頓挫するプロジェクトが後を絶たない。

業務可視化から始めるDX

DXを成功させるためには、ツール導入の前に徹底した業務整理が不可欠である。まず、現在の業務フローを可視化し、各プロセスの目的と必要性を検証する。次に、重複作業や不要な承認ステップを洗い出し、業務そのものをシンプルにする。この段階で「なぜこの作業をしているのか」を問い直すことが重要である。形骸化したルールや慣習的に続けてきた作業を見直すことで、本当に必要な業務が明確になる。整理された業務プロセスに対して最適なツールを選定することで、初めてDXの効果を最大化できる。

業務整理の成果

業務整理を先行させることで、ツール導入の目的が明確になり、適切な選定が可能になる。整理された業務フローは現場の理解も得やすく、ツールの定着率も大幅に向上する。さらに、業務整理の過程で発見された課題は、DXだけでなく組織全体の改善にもつながる。属人化していた業務の標準化や、部門間の連携強化など、副次的な効果も期待できる。DXは一度きりのプロジェクトではなく、継続的な改善活動である。まず業務を整理し、その上でツールを活用するという順序を守ることが、持続可能なDX推進の鍵となる。

まとめ

DX成功の鍵は、ツール導入前の業務整理にある。非効率な業務をそのままデジタル化しても効果は得られない。まず業務フローを可視化し、不要なプロセスを排除してから最適なツールを選定することで、DXの本来の効果を発揮できる。

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要件定義の問題点

はじめに

会社の雰囲気や要件定義の内容をみれば、おおよそそのプロジェクトが成功するか否かがわかる。うまくいかない場合のユーザー側とシステム会社側の原因の一例である。

・要件定義をシステム会社に任せてしまう
・元請けシステム会社が無理な要件でも受注する
・準委任契約の人材紹介会社がリスクなく利鞘を稼げる
・末端エンジニアの作業遂行以外の責任
・ユーザー側、発注側の担当者が保身する

今回はその背景を説明したい。

要件定義の丸投げ

要件定義をシステム会社に任せてしまう。
要件定義はシステム会社がユーザー企業をヒアリングして作るものではなく、ユーザーとシステム会社が議論を重ねることで答えを出していくものにしなくてはならない。ユーザーが目指すべき姿と、システム会社が実現すべき姿のすり合わせが重要である。

無理な受注

元請けシステム会社が無理な要件でも受注する。
無理な要件でも受注できるのは、発注側にもシステムの知識がないため、ゴールが曖昧なまま元請けシステム会社が請け負ってしまうからである。もし、発注側にITリテラシーがなければ、パワハラなども発生する可能性が高い。したがって、元請けシステム会社に精神的な課題を回避するため、要件定義を作る人でさえも二次受けシステム会社から集めてくることがある。

人材紹介会社の利益構造

準委任契約の人材紹介会社がリスクなく利鞘を稼げる。
システムの完成責任は負わず、作業だけ請け負うことになるため、人さえ集めてくれば、そこでリスクなく利鞘が稼げる。発注側のユーザー企業からすれば、契約は元請けシステム会社であるため、3次請け、4次請けを使おうが、完成さえすればいいと考えていることが多い。

エンジニアの責任範囲

末端エンジニアの作業遂行以外の責任。
末端のエンジニアには、クライアントとの調整や導入、一定品質や納期の遵守など、責任感や危機感がないこともある。プロジェクトの全貌が見えないことも原因である。また、言われたことをやるだけで報酬がそこそこあるのが、システムエンジニアの業界だったりするので、作業をした時間分だけ報酬を支払ってほしい、という話にもなる。

発注側の保身

ユーザー側、発注側の担当者が保身する。
システム開発がうまくいかなかったときに、発注側の担当者がシステム会社に責任を押し付けるといったことがある。これは信頼関係によるもので、共同でプロジェクトを成功させようという目標が作れなかった場合に発生する。システム会社を業者扱いして要件定義を丸投げしてしまわないようにしなければならない。

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