モックアップの料金

要件定義の意義

ユーザーの要件を明確にすることで、開発の方向性がブレず、無駄な修正や手戻りを防ぐことができる。定期的なミーティングやレビューセッションを通じて、開発者はユーザーのニーズを正確に把握し、ドキュメント化やモックアップ化することが重要である。

試作品の価値

SEはユーザーに具体的なイメージを持ってもらうために、プロトタイプやモックアップを作成し、ユーザーに確認してもらうことで、誤解や認識のズレを減らす。これにより、実装後の大幅な変更を回避できる。

モックアップの功罪

モックアップの作成は有料であることが多いようである。また、非エンジニアがシステム技術を意識しないモックアップであれば、その後の開発が複雑になってしまうといったことも考えられる。

ユーザー主導開発

モックアップを用いてユーザーがシステムの機能や開発プロセスについて理解を深めることで、適切なフィードバックを提供することが大切である。開発チームとのコミュニケーションも円滑になり、無駄な手戻りや修正を減少する。

まとめ

システム開発におけるユーザーと開発チームのコミュニケーション改善が、システム開発コストを軽減する。そのためには視覚的にコミュニケーションできるモックアップは重要であろう。

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オフショア開発における契約形態の選択と、重要なポイント

オフショア開発には、受託開発、ラボ開発、そして折衷型の3つの契約形態が存在します。それぞれの契約形態には特徴と課題がありますが、最終的にここで「折衷型」と述べているものに集約していく傾向があります。

受託開発契約とその特徴

受託開発契約は、成果物の納品を約束する契約形態です。この形態では、事前に成果物の定義を明確にし、それに基づいて開発を進めます。受託開発契約はソフトウェア開発においてシンプルな形態と言えますが、成果物の定義を明確にすることは容易ではありません。実際の開発作業では、概念上の定義と現実の制約との間で調整が必要となる場合があります。

ラボ開発契約とその特徴

ラボ開発契約は、クライアントが直接開発者に対して指示を出す契約形態です。クライアントは開発者を拘束し、その時間を購入します。この形態は、日本のSES契約に近いものですが、ラボ開発では開発者は非常駐となります。時間単位で開発者の貢献を購入するため、時間の品質によって成果物の品質が保証されるわけではありません。開発者によって同じ時間内でも成果物の差が生じることがあります。

折衷型契約の意義とその特徴

折衷型契約は受託開発契約とラボ開発契約の折衷案として採用されます。この契約形態では、成果物の定義を柔軟にし、一定の作業時間も確保しながら、基本的にボトムアップ型で開発を進めていきます。オフショア開発においては、ビジネスモデルやクライアントの要求を理解し、中核的な開発人材(例えば、ブリッジエンジニア)を確保することが重要です。中核的な人材はクライアントのビジネスについて深い洞察を持ち、長期的な関係を築くことができます。このような中核人材をラボ契約で時間拘束的に確保し、プロジェクトが大型化したときはスポットで追加の受託契約を行い、人を追加で確保するというものです。

折衷案に収斂していく実際のプロジェクト

受託開発としてスタートしたプロジェクトでも、ラボ開発としてスタートしたプロジェクトでも、ベトナムでのオフショア開発が成功し長く続いている案件は、最終的に折衷案に収斂していく傾向があるようです。多くの場合は海外開発拠点は、日本の開発プロジェクトの外付け工場という位置づけになりますので、クライアントのビジネスをよく知った開発者を確保しつつスケーラビリティを確保するという両方が求められることとなり、このような形に落ち着くのでしょう。

もしこの形をゴールとするのならば、下記の2点に注目するのが良いでしょう。

(a) 長期契約が必要なこと:クライアントのビジネスモデルや独自の用語を理解し、本当に重要な要素を把握するためには時間が必要です。クライアントのビジネスに寄り添いながら開発を行うためには、最低でも1年以上の長期契約が必要です。

(b) ブリッジエンジニアを始めとする中核的人材の確保が大切であること:中核的な開発人材は、クライアントのビジネスをよく理解し、ビジネスの要件に応じて開発を進めることができる人材です。彼らは長期的なパートナーシップを築き、クライアントのビジネス成果に貢献します。そのため、オフショア開発においては、ブリッジエンジニアなどの中核的な人材の確保が極めて重要です。

オフショア開発においては、契約形態の選択とビジネス戦略の統合が成功の鍵となります。ビジネスの長期的な視点と中核的な人材の確保を重視することで、効果的なオフショア開発を実現することができるでしょう。

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オオカミ少年化の弊害

SE常駐の負連鎖

システム開発会社側の立場からすると、時間ばかり取るよくないクライアントはできるだけ減らさないと、他の優良クライアントに迷惑がかかる。特に横にいてくれないと進めることができないというニーズが、SE常駐の常態化してしまっている要因である。

常駐要請の心理

SEへの安心感の欠如が常駐しないといけない理由のひとつである。隣にいれば、何かあった時にすぐに指示が出せる。たとえば、サーバが止まったときにすぐに復旧させることが可能である。

対症療法の克服

隣にSEを常駐させて対応できてしまうがゆえに対処療法になってしまいがちである。本来であれば、サーバが止まらないようにすべきであり、リカバリのプランがしっかりと計画されていることが理想である。

脱属人化の施策

SE側も、すぐに復旧させられるからといった怠慢により、事前に問題や対策を考えておくといった準備を怠ってしまう。そう考えると、発注側のITリテラシーも非常に重要である。属人化しないように仕組化するにはどうするかを常に整理する意識を持つことが大切である。

まとめ

発注側は感情だけでプロジェクトを遂行すると、何かあった時に何でもSEを急かしてしまう。これによって、発注側はオオカミ少年化してしまうため、本当に急がないといけないときに対応が遅れてしまうのである。

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SEのいうバッファとは

バッファの真意

見積りや作業スケジュールに際して、エンジニアやシステム会社から「バッファである」という回答を受けたことはないか。システム会社が言うバッファとは保険を意味していることがほとんどである。

不確実なバッファ

非エンジニアは見積りのバッファを聞いたときに、無駄なのではないかと感じる。「念のため」に必要なバッファは、裏を返すと知識がないから調べないと分からないので不安であるという意味である。知識があり、「念のため」が必要なければバッファはないと考えられる。

知識の不足

ほとんどのシステム構築プロジェクトは、バッファが多いほうが知識がないのに見積りが高くなるという矛盾が発生することになる。そう考えると「バッファ」とは「無駄」に聞こえるかもしれない。

本質のバッファ

さて、このバッファについて本来あるべき姿を説明する。本当にやってみなければ分からないといった高度な技術を使うときに、未知の領域に関するスケジュールの影響を勘案し、計画された期間のことをバッファと見るべきである。

まとめ

単なるシステム構築プロジェクトにおいて「無駄を削ればよい」というのは非エンジニアから見ると合理的でコストの軽減にもなる。しかし、研究開発分野において無駄を削ることは必ずしも合理的ではない。発想が乏しくなるからである。

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