予算ブレの原因

開発の変動要因

システム開発は長期にわたることが多く、また未来の不確実性の中で予算を策定しなくてはいけないことがある。セキュリティーをはじめ動作環境の変化や人員の欠如、予期していなかった仕様の発覚などが原因だ。

目標変化と予算

進捗率は目的地が明確に設定されていれば数字を負うことで予算達成率を算出することができる。しかし、目的地が近い遠いのは無しではなく、根本的な目的地がなくなったり、複数になったりすることがシステム予算の策定の難しいところである。

計画型開発法

システムに未来を見ることができればブレない、見えないことをすべて調査の上で着手できれば確実な予算と実行が可能である。進捗率の報告が可能になる。フォーターフォールモデルなのでコストがかかることと時間がかかることの覚悟が必要だ。途中での方向修正は原則できない。

柔軟な開発手法

逆に低予算で早く導入するなら、見えにくくなるデメリットがある。状況によって対応を素早く変化させる必要があるため進捗率を算出しにくい。アジャイル開発と呼ばれるものであり、社内開発であることが理想である。途中で出てくる条件に対しても柔軟に方向性を変化させることが可能である。

まとめ

アジャイル開発で予算を立てるときは、1.5-2.5倍くらいを目安に余裕を持って設定することを推奨する。

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AIで何ができるのか

AI vs 人間

AIは人間を超えるのか?などの質問をされることがよくある。シンギュラリティと呼ばれているが、超える超えないの単一線上で比較できるものではないと考える。たとえば、計算の速さだけでいうと人間よりも、はるかに早いと言える。

AI導入の両面性

とにかく労働人口の減少によって、機械化やAI化が急がれていると思う。すでに、画像作成や文章作成などは置き換わっている事例も多くみられるようになった。そんな中で、よくあるのが「AIで何かできませんか?」という問い合わせである。

AI時代のDX

DXという概念にも通ずる話だが、デジタル化するだけでは、いわゆるデジタル変革にはならない。ペーパーレス化ってやつだ。同じように、AIを使うことを目的としてしまうと業務に対して便益がない場合も多いようだ。したがって、AIを利用するということをDXと定義するのであれば、日常業務を整理して、どこをAIに任せるのかを検討することが大切である。

AI活用の極意

AIにも得手不得手があり、計算はもちろん得意だが、質問の仕方や指示の仕方で活用レベルは大きく変わる。プロンプトと呼ばれるものはコピーして使えるが、AIを活用しきろうとするならば、自分でプロンプトを考えれる必要がある。つまり、現時点では賢いAIなのではなく、使う側が上手に使わないとならない。

まとめ

AIの使いどころについて、多くは無理やり使おうとするため、AIを活用する場面でないことも多くある。また、ユーザー企業に関わらずシステム会社でもAIの活用は進んでおり、画像の生成やプログラミングの一部はすでに人間が行わなくてもよい段階にある。これから先もこれは加速することだろう。

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熱意の共有

提案と負担

「なぜ、自社のシステム担当者や社外から常駐するSEは、システムの改善提案をしてくれないのだろう?」と思うことはないか。それは、提案することで自分が大変になってしまうことを理解しているからである。

現状維持の理

自分たちが大変になるだけであるため、普通に考えれば、それを「やろう」と思うはずがない。それがシステム担当者から提案が出てこない理由であろう。

知と意欲

そうなると、非エンジニアやシステム営業が発想する提案は、システムの要件や縛りを無視した案になってしまう。問題解決意欲の高い非エンジニアが指揮するシステム開発を成功させるには、同じ温度感を持つエンジニアを味方につけるほかない。

人材の見極め

システム担当として向いている人材を探すことは非常に困難である。仮に全社的な問題解決意欲の高いエンジニアを採用したとしても、本当のスキルがどの程度であるか知ることができない。システムの開発のほとんどは巻き戻すことができないからである。

まとめ

システム開発や運用の大変さを知る人材ほど、モチベーションがない限り全力を出し切らせるには、相当の熱量を伝えることが肝要である。

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ローコード開発≠安い

誤解されるコスト削減

実はローコード・ノーコードツールを使えば、開発が必要なくなるので安くなるというのは正しくない。たしかに、ノーコードツールを社内メンバーでCMSを使ってソフトを作るという場面は開発費用はかからない。

CMSとはコンテンツ・マネジメント・システムの略で、たとえばWebサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザインなどを非エンジニアがプログラミングをせずに作成や管理できる仕組みのことである。ローコードツールはそれに加えて少しのプログラミング知識でシステムやツールを作成できることである。

開発手法の選択基準

断じてローコード開発だからといって安いわけではない。開発手法の特性による得手不得手を上手に使い分けるからトータルとして価格が安くなるということである。非エンジニア営業の金額調整という意味での判断でローコード開発を選択する場合は失敗することがある。

システム導入の本質理解

ローコード開発でも、システム導入の目的や条件が本質的にわかっていなければ、仕様要件のブレによって結果としてトータルが安くなることはない。これはローコード開発ということが問題なのではなく、フルスクラッチ開発であっても、SaaSと利用する場合であっても同じことが言える。

負債の危険

本来ローコード開発が適さない場合にも関わらず無理やりに合わせることで、プログラム部分の複雑性が増し、技術的負債となって大きな問題になっていく。結果として安くはならず、ローコード開発のメリットであるメンテナンス性までも損なうため、トータルで考えると高くなる。

まとめ

お客様の予算内で考えないといけないので、といった口癖があれば注意が必要である。クライアントの言いなり状態であれば、無理な要求は開発における仕様だけではないだろう。金額を含めた総合的な判断ができる人が、結果としてローコード開発を選択するわけである。

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