予算ブレの原因

開発の変動要因

システム開発は長期にわたることが多く、また未来の不確実性の中で予算を策定しなくてはいけないことがある。セキュリティーをはじめ動作環境の変化や人員の欠如、予期していなかった仕様の発覚などが原因だ。

目標変化と予算

進捗率は目的地が明確に設定されていれば数字を負うことで予算達成率を算出することができる。しかし、目的地が近い遠いのは無しではなく、根本的な目的地がなくなったり、複数になったりすることがシステム予算の策定の難しいところである。

計画型開発法

システムに未来を見ることができればブレない、見えないことをすべて調査の上で着手できれば確実な予算と実行が可能である。進捗率の報告が可能になる。フォーターフォールモデルなのでコストがかかることと時間がかかることの覚悟が必要だ。途中での方向修正は原則できない。

柔軟な開発手法

逆に低予算で早く導入するなら、見えにくくなるデメリットがある。状況によって対応を素早く変化させる必要があるため進捗率を算出しにくい。アジャイル開発と呼ばれるものであり、社内開発であることが理想である。途中で出てくる条件に対しても柔軟に方向性を変化させることが可能である。

まとめ

アジャイル開発で予算を立てるときは、1.5-2.5倍くらいを目安に余裕を持って設定することを推奨する。

関連記事

マニアの逆効果

趣味の進化

趣味やコミュニティにファンが定着しないという話をよく耳にする。この現象を理解するには、戦後日本の変遷を振り返る必要がある。高度経済成長期に入ると、人々の可処分所得が増加し、余暇時間も確保されるようになった。これに伴い、日本人の趣味の選択肢は爆発的に広がっていったのである。

IT黎明期

そんな多様な趣味の選択肢の中から、パーソナルコンピュータという新しい文化が誕生した。初期のパソコンマニアたちは、その後のIT業界の礎を築いていった。彼らの情熱と探究心は、技術革新の原動力となったのである。ユーザー数が増加するにつれて、独自の用語やネットスラング、コミュニティ文化が形成され、デジタル時代特有の新しいコミュニケーション様式が確立されていった。

マニアの防衛

しかし、ユーザー層が拡大するにつれて、必然的にライトユーザーや一般層の参入が増えていった。この変化に対して、コアなマニア層の中から、自分たちが築き上げた文化や価値観を守ろうとする動きが現れる。彼らは意図的に専門用語を多用したり、新規参入者に対して高い障壁を設けたりすることで、独自の世界を保持しようとした。このような排他的な姿勢は、結果として健全なコミュニティの成長を阻害する要因となったのである。

IT変革期

このような状況は、しばしば「マニアが業界を衰退させる」という批判の対象となってきた。IT業界を例に取ると、黎明期には「オタク」というレッテルを貼られ、社会的偏見にさらされることも少なくなかった。しかし、ITバブル期に入ると状況は一変する。テクノロジーの急速な発展と共に、IT関連の職種は一気に注目を集める花形職業となっていったのである。この変化は、マニア文化が一般社会に受け入れられていく過程を象徴的に示している。

まとめ

現代では、パソコンの使用者をマニアと結びつけて考えることはほとんどなくなった。しかし、同様の現象は量産型のプログラミング業務の中でも起きていた。ローコード開発の台頭により、プログラミングは特別な知識を持つ人だけのものではなくなり、誰もが気軽に扱える時代となったのである。

続きを見る >

Excel業務をアプリ化する理由

Excelの限界

Excelは多くの中小企業で業務の中心を担っているが、運用を続ける中で限界を感じる場面が増えていないだろうか。「ファイルが重くて開けない」「誰かが数式を壊してしまった」「最新版がどれかわからない」――こうした問題は、Excelでの管理が業務の規模に合わなくなっているサインである。使い慣れたツールだからこそ、課題に気づきにくいのが厄介な点だ。

3つの課題

Excel業務の課題は、大きく3つに整理できる。1つ目は「属人化」である。作成者にしかわからない複雑な数式やマクロが組まれ、その人がいないと修正も更新もできなくなる。2つ目は「保守性の低さ」である。ファイルが壊れたり、バージョン管理ができなかったりするリスクが常につきまとう。3つ目は「共有の不便さ」である。同時編集の制限やメール添付でのやり取りは、情報の行き違いやミスの原因になる。これらは個人の注意力では解決できない、構造的な問題である。

アプリ化で変わること

これらの課題を解消する方法の一つが、Excel業務のアプリ化である。Power Appsを使えば、Excelのデータをそのまま活用しながら、入力画面や承認フローを備えたアプリを作成できる。アプリ化のメリットは、まずデータの一元管理が可能になることだ。誰がいつ更新したかが記録され、属人化のリスクが下がる。また、スマートフォンからも操作できるため、現場での入力作業が格段に楽になる。さらに、入力規則を設定することでミスを未然に防ぐ仕組みも組み込める。Excelの「便利だけど不安」を、「安心して使える」に変えることができるのだ。

着手する業務の選び方

アプリ化を始めるなら、まずは効果を実感しやすい業務から着手するのがポイントである。たとえば、見積もりの計算、在庫の集計、日次の報告書など、Excelで繰り返し行っている作業が最初の候補になる。ある企業では、Excelの計算シートをPower Appsでアプリ化した結果、入力ミスが大幅に減り、作業時間も短縮された。大規模なシステム導入ではなく、身近な業務の改善から始めることで、現場の納得感を得ながらDXを進められる。「Excelをやめる」のではなく、「Excelの良さを活かしながら進化させる」という発想が大切だ。

まとめ

Excel業務の「属人化・保守性・共有の不便さ」は、アプリ化で解消できる。Power Appsを使えば、Excelのデータを活かしながら安心して運用できる仕組みに変えられる。まずは繰り返しの多い業務から、小さく始めてみてほしい。

続きを見る >

ローコード開発≠安い

誤解されるコスト削減

実はローコード・ノーコードツールを使えば、開発が必要なくなるので安くなるというのは正しくない。たしかに、ノーコードツールを社内メンバーでCMSを使ってソフトを作るという場面は開発費用はかからない。

CMSとはコンテンツ・マネジメント・システムの略で、たとえばWebサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザインなどを非エンジニアがプログラミングをせずに作成や管理できる仕組みのことである。ローコードツールはそれに加えて少しのプログラミング知識でシステムやツールを作成できることである。

開発手法の選択基準

断じてローコード開発だからといって安いわけではない。開発手法の特性による得手不得手を上手に使い分けるからトータルとして価格が安くなるということである。非エンジニア営業の金額調整という意味での判断でローコード開発を選択する場合は失敗することがある。

システム導入の本質理解

ローコード開発でも、システム導入の目的や条件が本質的にわかっていなければ、仕様要件のブレによって結果としてトータルが安くなることはない。これはローコード開発ということが問題なのではなく、フルスクラッチ開発であっても、SaaSと利用する場合であっても同じことが言える。

負債の危険

本来ローコード開発が適さない場合にも関わらず無理やりに合わせることで、プログラム部分の複雑性が増し、技術的負債となって大きな問題になっていく。結果として安くはならず、ローコード開発のメリットであるメンテナンス性までも損なうため、トータルで考えると高くなる。

まとめ

お客様の予算内で考えないといけないので、といった口癖があれば注意が必要である。クライアントの言いなり状態であれば、無理な要求は開発における仕様だけではないだろう。金額を含めた総合的な判断ができる人が、結果としてローコード開発を選択するわけである。

続きを見る >